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筒井淳也 ·立命館大学教授

参議院国民生活・経済及び地方に関する調査会(2024-02-21)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·1,790字
○参考人(筒井淳也君) 男女賃金格差、それから男女のキャリアの在り方の違いですね、この差が縮まっているようでなかなか縮まっていかないということについて、これはどうしたらいいのかということなんですけど、比較的日本よりはヨーロッパあるいはアメリカの方が賃金格差はまあ少し小さいということ。    〔会長退席、理事田名部匡代君着席〕  じゃ、何が違うのかというと、働き方がやはり違う。その一点目は、やはり職務単位の働き方なんですね。ヨーロッパやアメリカの主要な働き方というのは、日本でいえばアルバイト的な感覚がちょっとあるんですね。同じ仕事をしていれば同じ賃金であるということです。これは日本人には非常に受け入れ難いというか、そのイメージがしにくいんですよね。  例えば、同じレベルの経理の仕事をしていた場合に、トヨタで働いているのと、まあトヨタの例ばっかり出すのもあれなんですけど、大企業で働いている場合と比較的小規模の企業で働いている場合だと、日本人だと、どうしてもそれは大企業の方が給料は高いだろうという感覚があるんですけど、諸外国でいえば、同じ仕事をしているんだったら大体同じ賃金になるんじゃないのという感覚なんですね。  これは、実は企業規模とかそういったものに応じて、職務ではない、具体的な働いている職務内容じゃなくて別のところで賃金が決まりやすいというのは若干日本独特のところがございまして、ここがなかなか変わりつつはあるんですけど変わっていかない。これ非常に分かりやすく言うと、同一労働同一賃金ということなんですね。同一労働同一賃金の同一労働というのは職務なんですね。同じような仕事、同じぐらいスキルが要する仕事をしている場合の賃金格差が大き過ぎないこと、こういった理念があるわけです。  ところが、日本だと、正規雇用と非正規雇用、特に、例えば派遣労働とか契約労働、契約社員の方ですね、それほど違う仕事をしているようには見えないのに、場合によっては賃金率が三倍ぐらい違ったりするわけですね。これは恐らく諸外国の方が見たらびっくりする。あれ、同じぐらい仕事をしている、労働時間が違えばもちろん給料も変わっていいのに、同じ職務の賃金率、つまり時給ですよね、ここが格差が日本だと正規雇用、非正規雇用、非常に高い。  この理由の一つは、正規雇用の方が配置転換とか転勤とか長時間労働を受け入れているから高いんだという理屈なんですよね。だから、これはちょっともう女性の働き方、要するに転勤も受け入れなきゃいけないし、長時間労働、残業も受け入れなきゃいけない、そうじゃないと出世できないぞと。こういった働き方だと女性のキャリアにとって非常に不利になりますので、その点、持続的に変えていく必要があるのかなというのが一点あります。  他方で、これ賃金格差はなかなか諸外国もなくなりません。例えば、直近のノーベル経済学賞受賞されている方ですね、クラウディア・ゴールディンさん、この研究テーマ、男女賃金格差ですよね。アメリカでもまだまだ高いんだという議論なんですね。    〔理事田名部匡代君退席、会長着席〕  その理由は、彼女は、労働時間ですよね、やはり無制限に仕事にコミットできるような男性的働き方をした方が賃金が有利になるという、この点を改めるために、結局は労働時間ですよね、ここ、男性が家庭のことをしてくれる人がいるから安心して一〇〇%仕事に打ち込めるような、これはもう持続不可能になっている時代なんです。賃金格差の面でも望ましくないということで、分かりやすい対策として、やっぱり労働時間のキャップをもうちょっと厳しくやる。  ただ、その副作用として、実は労働時間のキャップを掛けるとどういう副作用があるかというと、時間外労働で実は日本のサラリーマンはお金稼いでいるんですね。これがなくなりますので賃金が下がりかねない。ということは、賃金率をやっぱり上げていかないといけない、要は賃金を上げなきゃいけないということなんですね。  そういう感じで連関していますので、全てはつながっているということなんですけど、私が注目したいのは、労働時間と、それから時間当たりの賃金率をやっぱり上げるというのがいろんなところでプラスに作用するであろうという話です。  以上です。

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