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筒井淳也 ·立命館大学教授

参議院国民生活・経済及び地方に関する調査会(2024-02-21)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·1,231字
○参考人(筒井淳也君) 世界標準の働き方であるジョブ型雇用、同一労働同一賃金に近い働き方ですね、こちらがなぜ日本にだけ根付かなかったのかというのは研究者がいろんな研究をしてきていろんな研究成果があるんで、ちょっと時間がありますのでなかなか詳しくは申し上げられないんですが、ただ、これを例えば導入した場合、本格的にその同一労働同一賃金あるいは非正規雇用と正規雇用のその時給レベルでの格差を縮めていったときに、やはり副作用の問題が一つあるんですよね。  その副作用というのは、要するにいわゆるディーセントワーク、正規雇用でフルタイムでそれなりの賃金を与える、こういった経営を続けていける企業だけが生き残りなさいというふうになってしまった場合、どうしても欧米社会のように失業率は増えるんですよね。で、この、じゃ、増えてしまった失業者を今度は公的に対応する、救うという、こういった二段構えで実は実現できているのが一点ある。  これ、日本の場合、働き方改革をやるときに、雇用外の生活保障ですよね、雇用されていない方の生活保障をどうするかという議論が併せて議論されないですよね。これはやはり視野の一つの狭さなんですよね。社会構造全体で見るといろんなものがつながっているというところで、実はそういう副作用、日本は実は失業率が比較的低く抑えられているけど、実は働いている人の中では賃金がなかなか上がらなくて、しかも働き方がきつい。じゃ、どっちを取りますかというような議論を本当はすべきなんですけど、なかなかそこまで追い付いていないというのが大きいかなと思います。  もう一点は、やはりその同じ職務の方でつながるということですよね。これ、要するに労働組合ですね。この労働組合の在り方が日本では企業別ですよね。これはやっぱり、職種ごとにつながっているような状態があればあるほど特定の職に就く人の声が強くなりやすいという傾向があります。ですので、実は日本は賃金が上がらない条件というのがなかなかそろってしまっているところがあって、それは、欧米と比べたときに、職種別のつながり方、組合のつくり方とかがちょっと薄いとか、そういったことも実は背景にありますし、アメリカだと、じゃ、どうだというと、非常にその個人の発言力が強いんですね。例えば、転職活動をやって、ほかの企業がこれだけお金くれると言っているから私辞めようと思うんだけどどう思うというふうに上司に言って、上司が、じゃ、賃金上げようかというような、そういった交渉を個人レベルでもやるんですよね。日本の場合そういうこともやらないし、かといって集団的な賃金交渉の水準、仕組みも今までは少なくともちょっと弱い時期があったと思うんですよね、若干今変わりつつあると思うんですけど。  そういった仕組みレベルでなかなか賃金が上がらない、そういう社会的な特性があるということは認識をもうちょっと成熟していく必要があるのかなと感じています。

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