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玉木雄一郎 ·国民民主党・無所属クラブ

衆議院憲法審査会(2026-05-21)での発言

第221回国会 ·第第6号号 ·2,428字
○玉木委員 国民民主党の玉木雄一郎です。  本日も、大規模災害時等に国会機能を維持するための条項について申し述べます。  まず、私たち国民民主党の考え方は、前回も申し述べたとおり、二年前の、二〇二四年六月十三日の憲法審査会において、当時の自民党の中谷筆頭幹事から五会派の意見を集約、代表する形で述べられたものと同じであることを確認したいと思います。当時、中谷議員は、資料の作成に当たってはこう発言されています、公明の北側幹事、維新の馬場幹事、国民の玉木委員、有志の北神委員から詳細かつ丁寧なアドバイスをいただきましたと。ということで、五会派の意見を集約して当時作ったことを改めて確認したいと思います。  この五会派で合意した案を基に具体的な条文案作りに着手することが憲法改正に向けた最も現実的な進め方であることを、改めて強調したいと思います。議論が煮詰まっておらず合意が得にくいテーマを今から新たにつけ加えない方が得策だと考えます。  その上で、今日は、特に緊急政令、緊急財政処分について申し上げます。  二〇二四年六月の五会派案には、緊急政令、緊急財政処分の条項は入っておりません。当時の丁寧な合意形成の過程で、五会派案としては含めないとした経緯がございます。もし緊急政令、緊急財政処分の話を蒸し返せば、時計の針を巻き戻し、せっかくここまで積み上げてきた憲法改正議論が停滞することを懸念いたします。  あえて過去の議論を私なりに整理して申し上げますと、緊急政令、緊急財政処分については、大きく三つの対応が考えられると思います。  第一の案は、緊急事態においては、内閣が法律と同一の効力を有する政令を制定することができるとし、包括的な政令制定権を内閣に持たせるケースであります。ただ、これは内閣に白紙委任的な広範な裁量を与えることになり、国民の理解を得ることが正直難しいと考えます。  第二の案は、あらかじめ法律の定めるところにより、内閣が法律で定めるべき事項を定める政令を制定することができると規定し、あらかじめ法律で定めておいた場合には政令を制定できると規定する。これは、現行憲法下でもできる、法律レベルの緊急政令の確認規定として盛り込む方法です。二〇二二年十二月の国民民主党案はこのケースであります。私の記憶が確かならば、かつて、公明党の浜地議員も同じ意見を表明していたと理解をしています。  第三の案は、参議院の緊急集会や議員任期の延長、そしてオンライン国会など、緊急事態において国会機能の維持を可能とする憲法改正を行うことで、国会が機能しない場合は想定されなくなり、そもそも内閣が緊急政令や緊急財政処分を行う場合が想定されないとする対応です。二〇二四年の五会派の同意はこれに近い形で行われたものと認識しています。  ただ、オンライン国会でも定足数を満たさない場合が考えられるということは、先ほど、通信が遮断されるとか、そういったことで提案をいただきました。  その場合には、緊急政令ではなく、ドイツ基本法が定めるミニ国会のような制度を創設することも実は考えられます。これは、先ほど申し上げた二〇二二年の国民民主党の改憲案でも提案した、両院合同委員会のアイデアであります。  このミニ国会とも言えるドイツの合同委員会は、ドイツ基本法では、定数の三分の二を連邦議会議員から、三分の一を連邦参議院代議員とすると規定されており、また、合同委員会規則で、連邦議会議員が三十二名、連邦参議院代議員は十六名とされています。ちなみに、連邦議会の総定数は五百九十八名、連邦参議院の定数は六十九名です。いざというときに国会機能を少数で代替する制度をドイツの憲法、基本法は設けております。  また、オンライン国会も開けないような究極の事態のときは、閣議も開催できない、閣議不能に陥っている可能性もあります。政令も制定できません。国会は開けないが内閣は必ず開けるという前提で議論が進みがちですが、逆のケースもあり得ることを念頭に入れる必要があるのではないでしょうか。  ちなみに、国民民主党案では、両院合同委員会が開かれる場合として、国会開会中だが、オンラインを活用してもなお定足数を満たすことができない場合、国会閉会中で、国会の召集を待つことができない場合、あるいは、そもそも参集不能で定足数を満たすことができない場合などを想定しています。  いずれにしても、緊急政令、緊急財政処分の話に議論を広げると、論点が拡散して、せっかく五会派でまとめたものも御破算になりかねないので、その点については、慎重な取扱いをお願いしたいと思います。  なお、緊急財政処分については、予備費の活用で十分対応可能であり、不要と考えます。  以上、緊急政令、緊急財政処分について国民民主党の考え方を申し述べましたが、高市総理のおっしゃる来春までに憲法改正発議を目指すのであれば、やはり、新たな論点を追加することなく、二〇二四年六月の五会派案をベースに、大規模災害時等における議員任期の延長等、国会機能の維持に関する条文案作りに速やかに着手することを求めます。  また、昨日の参議院憲法審査会での議論を見ると、追加のテーマとして考えられるのは合区の解消だと思います。国民民主党としては、衆議院で議論の積み上げのある選挙困難時における議員任期の延長等と、参議院で議論の進む合区の解消と、いずれも選挙制度に関わる、いわば民主主義の基盤整備に関する二つのテーマについて、優先的に取り組むことを求めます。  来春の発議を視野に、秋の臨時国会に国会法に基づく憲法改正原案の国会提出を目指すのであれば、そろそろ、何を議論するかより、何を議論しないかを考える時期に来ているのではないかと思います。論点を絞って議論していくことを改めて求めたいと思います。  以上です。

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