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鈴木宣弘 ·東京大学大学院農学生命科学研究科特任教授

衆議院農林水産委員会(2024-04-04)での発言

第213回国会 ·第第7号号 ·1,221字
○鈴木参考人 御質問ありがとうございます。  私が自給率が低下した一番の大きな要因として考えますのは、農産物貿易の自由化政策、これが徹底的に行われてきたということ。これによって、関税が下がったり撤廃されて、輸入枠がなくなったりして、どんどん海外からの輸入に依存する構造が高まりました。  これは、日本として、これからは貿易自由化を更に進めて、食料は基本的には安くいつでも輸入できるんだ、それが食料安全保障だというような経済政策そのものが、そういう方向性にあった。特に、自動車などの製造業の製品を日本は販売して利益を得る、そのためには、食料、農業というものは、ある意味犠牲といいますか、それをアメリカや他の国に関税撤廃などで差し出すことによって、そして自給率は下がっても日本の経済をしっかりと回していける、このような日本の経済政策そのものに大きな要因があるというのが一つです。  それと、もう一点は、日本で取られている現場を支援する政策に大きな欠陥があるのではないかということがあります。今、畑作にはゲタがあるじゃないか、ゲタというのは内外のコストの差を埋める補填でございますが、あるいは、米には、関税が高いから内外価格差が発生しないという前提で、ゲタはできません、しかし、ナラシという収入変動をならす政策もあるし、それから、米だけではないですね、今は収入保険というものもちゃんと入れたじゃないかと言われておりますが、これらの政策に全て共通するのは、コスト高に対応できないということです。コストが上がったときに、その部分を考慮して農家が所得を維持できるような政策になっておりません。  そもそも、畑作のゲタというのは固定ですから、そういうふうな収入変動には対応できませんし、ほかのナラシとか収入保険というのは、過去の価格や収入が、例えば過去五年間の平均よりも下がった分の九割や八割を補填するだけですので、農家にとって、コストを勘案して必要な基準額というものがベースにはなりません。だから、そもそもセーフティーネットにはならない要素がある。さらに、収入だけ、価格だけの問題ですから、今言ったように、今回のようなコストが二倍に上がるような状況に対応し切れないというふうな欠陥を有しています。  それから、中山間地直接支払いや多面的機能支払いというものも、これは現場でもいい政策だと言われていますが、集団活動への補填の部分が多くて、個別農家の所得に対する直接支払いという部分は、十アール当たり数千円程度で非常に少ない、こういうところがもうちょっと充実すれば違うんだけれどもなというのが現場の声だと思います。  こういうふうに、今ある政策が十分だから必要がないような議論が行われていますが、それがこういうふうな欠陥を有しているから今の状況になっているんだということを、やはりきちんと検証する必要があるのではないかと思います。  以上です。

鈴木宣弘 の他の発言

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