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糸井昌信 ·大泉国際交流協会会長

衆議院法務委員会(2024-05-14)での発言

第213回国会 ·第第18号号 ·5,233字
○糸井昌信君 大泉国際交流協会会長の糸井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  大泉国際交流協会は、平成七年にできました民間のボランティア団体でございます。民間です。私も民間人です。ですから、運営とすると、町からの補助金と町内企業からの寄附金のようなもので運営しているということでございます。  ですから、私、よく言っているんですけれども、私どもがやっている事業は隙間産業、行政ではなかなかできないようなことも請け負って、行政と力を合わせながらやっていくということで隙間産業と私はよく言っていますけれども、そういった事業の中で私が今まで感じてきたこと、あるいは地域の課題等をここに資料として載せましたので、御覧いただきたいと思います。  まず、お手元の資料を御覧ください。  まず一枚目は出典でございますが、二枚目は大泉町の現状でございます。  大泉町は、一九九〇年の入管法改正によりまして日系人が急増した町でございます。大泉町自体は、昭和三十二年に小泉町と大川村が合併してできたところでございます。下の表は、九〇年の入管法改正前、平成二年の前と平成二年の後では、外国人登録の状況、今は外国人の皆さんは住民基本台帳法の中に入っていますが、この当時は外国人登録法です、平成二年を境にがらっと変わったところでございます。  三ページは、今までの大泉町の状況を述べています。  出稼ぎから定住化へということで、初めは、皆さん日本に来るときに、どのくらいいるんですかと聞いても、先は分からなかった。ところが、日本に住み始めると、だんだん先が見えなくなる。今では、三十年間日本で暮らしている方もいるということです。いわゆる定住化が進んできたということが言えます。  なぜ大泉町に増えたかといいますと、中小企業の人手不足、大企業ではなくて中小企業の製造業の人手不足が深刻であったというところで、九〇年の入管法改正に合わせてブラジルからの日系人を雇用し始めたということが発端でございます。  当初は、中小企業ですから、本当に家族ぐるみのおつき合いをしたりして、週末になるとバーベキューをやったり、温泉旅行に行ったりというような、非常に和やかな雰囲気で働いていた日系人が多かったと思います。  その後は、いろいろ、派遣業が入り込んできて、雇用形態も変わって、大企業に派遣される日系人も多くなって、入国する日系人も多くなってきたということで、様子ががらっと変わっていったということでございます。  現在いる日系人の多くは二世代、三世代ということで、俗に言う二世代効果、三世代効果というのが出ていまして、子供たちが日本の学校に入るか、あるいはブラジル人学校を選択するか、あるいは、親御さんが教育について関心がないかというところで格差社会ができてきている、大きな格差になっている。  端的に言うと、子供を日本の学校に入れた家庭は、お子さんは小学校、中学校、高校、大学と日本で進んでいく。職業を選択して、それなりの地位に就いている方、持家を購入している方はいると思います。ところが、ブラジル人学校を選択すると、短期間で日本から離れていく方はいいんですけれども、長く日本に住むと、やはり子供たちの学歴の問題が出てきたり、なかなか思うように就職できなかったりする。あるいは、日本語ができない親御さんですと、日本の生活にもなじんでこないということがあります。  その辺はまた長くなりますので、次に行きます。  四ページを御覧ください。  四ページは、現在の外国籍住民の現状でございます。  上は、人口及び比率です。群馬県は、国籍別ではベトナムがナンバーワンになったんですけれども、大泉町では、ブラジル、ペルーというふうにまだ南米の方が多い状況でございます。下の表は、在留資格別でございます。永住者が三八%、約四割の方が永住権を持っているということでございます。  右の五ページは、行政の取組でございます。  どんなことをやっているかでございますが、まず、言葉の問題です。行政情報を的確に伝えることに言葉の壁があります。通訳職員の配置、あるいは、相談事等に対応するために、大泉町多文化共生コミュニティセンターを設置してございます。ホームページ等も二か国語、三か国語で対応しているということでございます。ポルトガル語及び英語による町の広報紙GARAPAというものも発行しております。あと、防災マニュアル、こういったものも出しているということでございます。  下の写真は、移動領事館。年に一回程度、ブラジルの移動領事館というのが大泉町で開催されます。そのときに応じて、行政から情報を発信するという機会を設けています。右側は、各地区に職員が出向いていって、いろいろ行政のPRをしていくということでございます。  六ページは、多文化共生への主な事業です。  これも町の事業でございますが、上は、文化の通訳事業といいまして、日本の文化を住んでいる方に知ってもらおうということでございますが、何も、日本語が分からなくてもいいではないか、自分たちの分かる言葉で日本の文化を伝えて、そこからまた広く仲間に日本の文化を伝えてもらおうということで、文化の通訳という名前で毎年行っております。年末になりますと、年賀状の書き方とか書き初めの仕方とか、そういった日本文化についての学習をしております。  下は、外国人ボランティアチームの活動とありますが、東日本大震災を境に、外国人の方の行動も大きく変わってきたと私は感じております。なぜかというと、それまでは、外国籍の方は災害のときは災害弱者という扱いだったんですけれども、皆さんも御存じのように、ボランティア活動でかなりの方が東北地方に行って、炊き出しを行ったりしております。大泉からも、ブラジル人を中心としたボランティアの方々が、私も参加したんですけれども、東北地方に炊き出しに行きました。元気な人は、言葉を克服すれば、災害弱者ではなくて、皆さん一緒に協力して、災害時には活躍できる存在であるということだと感じております。  それから、下の方には、子供の健全育成を目指した事業、これには教育委員会の事業も入ってくるんですけれども、特に、ブラジル人学校は大泉町の中に二校ございまして、一校は今休校中なんです。太田市にも二校ブラジル人学校があります。ブラジル人学校は日本の中では学校ではありません、塾扱いです。日本の学校教育制度が及ばないんです。ですから、健康診断もない、あるいは運動場もない、特別教室もないというところで、皆さん子供たちが学習している状況です。  そういった状況に、行政として何かしらの、あるいは我々民間団体が支援ができないかということで、健康診断を行ったり、各種体験授業、田植体験とか、普通の学校では普通に行われていることを協力してやっているということでございます。  下は、他自治体とありますけれども、先ほど臂市長さんがおっしゃっていました、大泉町も外国人集住都市会議のメンバーでございます。伊勢崎市、太田市、大泉町は外国人集住都市会議のメンバーですので、そういったところと連携をしております。  次のページですけれども、七ページは、我々、大泉国際交流協会の主な事業でございます。  上が、日本語講座です。今、週三回行っております。毎回二十人から三十人。登録者は今のところ百二十人ぐらいいます。ボランティアさんは三十人ぐらいいるんです。ここにも子供たちが来ます。なぜ来るかというと、日本の教育を受けていない親御さんですと、子供たちが宿題を家に持って帰っても、誰も宿題を見てやれない。それなので、子供たちがこういったところに宿題を持ってきて、ボランティアさんに宿題を見てもらうということも行っています。  下は、最近、ネパールの方、ベトナムの方も増えてきましたので、言葉はどうも難しいんですけれども、多少文化の触れ合いということで、地元の方、ネパール人、ベトナム人を呼んできて、こういった事業も行っております。  次は、八ページです。  学習支援は、土曜日の午後、小学校、中学校、あるいは高校を目指すお子さんが来て、ボランティアさんに勉強を教えてもらっているということです。この学習支援も、住んでいる地域、国籍を別に問いません。いろいろな子供が来ています。太田市のお子さん、館林のお子さん、いろいろなお子さんが来て、高校入試を目指していくということでございます。  下は、ポルトガル語、スペイン語講座の様子でございます。こんな事業も行っております。  九ページは、我々がここ二、三年行っている地域共生への取組ということです。地域が転入者をどのように受け入れるかということが一つの課題になってきます。  これはベトナムPhoフェアという、ベトナムの食べ物フォーをみんなで食べてみようという事業でございます。なぜかといいますと、大泉町、太田市は企業の町でして、海外駐在員が多いんです。ベトナムで駐在員として働いていた方が戻ってきまして、ベトナムの人が増えてきたなということで、逆に、そういったリタイアされた方がいろいろ地域活動に目を向けてくれる。  これは、ベトナムの人に畑を貸したら、地域の人が、何だか知らないけれどもベトナムの人が畑仕事をしているよということで、悪く言えばちょっとうさん臭いかなという話を聞いて、地元の人が、それだったらベトナム人と一緒に交流を図ろうよということで、フォーをみんなで食べたというような事業でございます。このときには百人ぐらい地域の方が集まりました。やはり地域がどのように新しい人を受け入れるかという姿勢が大事かなという気がいたします。  次、十一ページですけれども、教育について。  これは教育委員会の事業が主なものなんですけれども、現在、大泉町の小学校、中学校は、一番多いところで三〇%ぐらいの外国籍の子供がいる学校が、小学校も中学校もあります。伊勢崎市さん、太田市と同じように、公立学校に日本語学級、名称は違いますが、国際教室、日本語学級というのを設置しています。  それから、就学前の説明会、学校に上がる前の親御さんを対象に説明会を行っている。これは、子供たちじゃなくて親に日本の学校のシステムを教えるというのが目的でございます。それと、高校進学説明会、これも本当に、日本の高校に入るにはこういうふうに勉強しなければいけない、お金をためなければいけないという保護者の方への認識ということですね。  それから、その下は、多言語サロン、これはプレスクール。太田市さんでも行っていますけれども、プレスクールです。日本語学級は設置してありますけれども、なかなか日本語が上達しないお子さんが多いです。一般に言われるのが、小学校三年程度までに日本に来れば、日本語を覚えて学習もできるということを言われますが、なかなかそうはいかない。それなので、学校に上がる前に少し日本語教育をやろうというのがこのプレスクールでございます。  次のページでございますけれども、ブラジル人学校への支援。先ほど申し上げましたけれども、ブラジル人学校は、日本では学校ではありません、塾扱いです。そこで、いろいろと事業を行っている、支援をしていくということでございます。  最後に、丸で示しましたけれども、来日する年齢、日本語能力はそれぞれ異なります。それが教育の現場においてやはりネックとなっていることかなと思います。  それから、最近は子供の多国籍化が進んでいるということです。アジアからの子供も増えています。アジアからのお子さんも日本で高校を目指すということでございますが、日本の高校は、どちらかというと日本語ができないと高校進学は難しい。これからの社会にどう対応していくのかということだと思うんですね。  それと、日本の教育を受けていない保護者は、日本の教育について理解していないことが多いということでございます。先ほど申し上げました就学前の説明会あるいは進学説明会も必要でございます。  最後に、ブラジル人学校は、先ほど何度も申し上げておりますけれども、日本では学校ではないため、教育に関する法などが及ばない、日本では学歴がつかない。日系人、もう三十何年たちますけれども、本当に二世代、三世代で格差社会が生じているというのが今の現状かなと思います。地域で本当に日本人の皆さんと同じように生活している人もいれば、なかなか地域になじめない方もいるということでございます。  私の資料の説明は以上で終わらせていただきます。  ありがとうございました。

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