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中川宏昌 ·公明党

衆議院本会議(2025-06-20)での発言

第217回国会 ·第第36号号 ·1,980字
○中川宏昌君 公明党の中川宏昌です。  私は、公明党を代表して、ただいま議題となりましたいわゆるガソリン暫定税率廃止法案に対し、断固反対の立場から討論を行います。(拍手)  まず初めに申し上げたいのは、私たち公明党は、暫定税率の廃止という目的そのものを否定しているわけではありません。むしろ、ガソリン税制の在り方については、これまでも慎重かつ丁寧に議論をしてまいりました。しかし、本法案に反対する本質的な理由は、その目的達成の手法、すなわち、過去に見たことのない拙速な進め方と、制度設計の極めて不十分な点であります。税の在り方という国の根幹に関わる重要なテーマについて、現場への配慮もなく、拙速かつ一方的に国会に提出し、さらに、十分な審議も行われないまま採決を強行するという今回のプロセスは、立法府として到底看過できません。  以下、反対の理由を申し述べます。  第一に、本法案が成立すれば、国と地方を合わせて年間約一兆二百億円もの恒久的な税収が失われることになります。特に深刻なのは、地方財政への影響です。地方自治体の減収額は少なくとも約三百億円に達すると見込まれ、道路整備などの住民生活に直結する基礎的インフラ維持などに必要な財源を大きく揺るがすものであります。  仮に税収減を補填する場合は、予算措置や税制上の措置が必要です。にもかかわらず、本法案には、こうした地方の税収をどう補うかという肝腎な点について、何ら具体的な措置が示されておりません。必要な措置を講ずると抽象的な表現があるのみで、補填制度の仕組み、財源の確保、いつからどう対応するのか、また、この法案に対する地方自治体との協議の実態など、いずれも明確ではありません。全国知事会、市長会、町村会を含む地方六団体は、度々地方財政への懸念が表明されている中で、果たして、本法案の提出者はどれだけ誠実に耳を傾けたのでしょうか。こうした疑問が生じること自体、本法案には正当性がありません。  第二に、本法案の施行日は七月一日。すなわち、施行まであと十日しかありません。本当に、僅か十日で全国の現場が対応できるとお考えなのでしょうか。  二〇〇八年に暫定税率が一時失効した際、安くなったガソリンを求め、全国各地のガソリンスタンドは大渋滞。近隣住民からは苦情が寄せられ、在庫切れのスタンドは閉店するなど、現場は大混乱が発生をいたしました。さらには、高い税率で仕入れた在庫を安く売らざるを得ず、損失が発生。差損補償をめぐる対応の混乱が全国で発生をいたしました。当時の混乱と教訓を忘れたのでしょうか。  今回の法案は、必要な金銭給付を行うと記述しているだけで、具体的な制度設計は全く示されておりません。対象者は誰なのか、申請方法はどうするのか、審査や支給のフロー、予算措置の裏づけはどうなっているのか、全く書かれておりません。本法案に限らず、こうしたことは、本来、関係者の声を丁寧に伺いながら調整することが大前提であり、準備不足は明白であります。  第三に、物流コストやエネルギー価格、地球温暖化対策との整合性といった広い観点からの調整も行われておらず、極めて場当たり的であります。  このように、地方財政への影響、現場との調整不足、制度の不備、そして税制の公平性という観点から見て、本法案は余りにも多くの問題を抱えた、いわば欠陥法案であります。真に国民の暮らしを考える立法とは言えず、実績づくりありきの政治的パフォーマンスと映るのは、私だけではないはずです。  加えて申し上げれば、昨年十二月には、自民党、公明党、国民民主党の三党で、暫定税率の廃止に向け、関係者間で誠実に協議を進めていくとの合意がなされました。私ども公明党も、この合意を重く受け止め、現場と丁寧に向き合いながら、ガソリン税制においては自動車関係諸税と併せて、抜本的に見直しを進めていく立場です。  それにもかかわらず、本法案は、こうした合意形成の枠組みを無視し、一方的に提出されたものであり、関係者との実務者協議も行われておりません。これは、合意精神に対する明確な背信行為であり、立法府における信頼と秩序を損なうものとして、誠に残念なことであり、強く遺憾の意を表明いたします。  国民生活に直結する重要な税制の見直しを行うのであれば、まずやるべきは、現場の声に真摯に耳を傾け、地方自治体、業界団体、消費者の立場を丁寧にすくい上げた上で、必要な制度を備え、責任ある立法を行うことであります。今、求められているのは、拙速な法案の成立ではなく、納得と安心を伴った制度設計であります。  以上の理由により、余りにも無責任な本法案に対して断固反対の意を表明し、討論を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

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