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検索結果 (45 件)
発言日降順○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 目利き力というのは、事業価値を評価する力ももちろん含むと思うんですけれども、その今の価値だけではなくて、今後伸びていくのか、あるいは今後例えば不祥事を起こしたりしないかといった点も含めて経営者の能力などを見る力だろうと思います。今たまたま収益がうまく上がっていても、それをするためにある意味違法すれすれのことをやっているというようなことになると、問題が起こって一遍に企業価値がなくなってしまうことも起こりますので、その意味では、いわゆる収益力に加えて様々な意味の企業の力を見る力ということが目利き力ということなのかなと思います。それを磨くインセンティブになるということが一つの今回の眼目かなと思っております。…
○参考人(井上聡君) 皆さん、こんにちは。本日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 実は、先日も、企業価値担保について衆議院の財務金融委員会で参考人として議員の先生方の前でお話し申し上げる機会がございました。大変光栄なことではありましたけれども、正直なところ、緊張の余り訳が分からないうちに終わってしまったという印象でございます。ですので、せっかく機会をいただきましたから、本日は少し落ち着いてお話をしたいと思っております。よろしくお願いいたします。 それでは、早速私の意見を申し述べます。 まず、現状の課題についてです。配付いただいている資料の三ページを御覧ください。 資金を借りようとする成長企業から見ますと、業容の拡大中は売上げよりも先に支出が増加しますので、資金需要は大きいと言えます。しかし、安定した換価価値を見込める不動産を持っていない場合、こういう…
○参考人(井上聡君) 御指摘、御質問ありがとうございます。 この信託の仕組みがビルトインされているというのは、この担保の非常に大きな特徴だと思います。 いい面は、二つ。 一つは、担保実行の適正化というんでしょうか、レンダーという最もその担保実行に利害がある人とは別の金融機関である信託会社あるいは信託銀行が担保権者となって実行に関わるということによって、不適切な実行というのの歯止めになり得るというのが一つあろうかとは思います。 もう一つが、もう一つのメリットというのは、今回、カーブアウトとよく呼ばれていますけれども、私が申し上げた先ほどの説明の二つ目の穴ですね。個人的には私はその穴は小さい方がいいと思っているのですが、その穴を、でも、つくった以上は、それを受託者で受け止めて、清算あるいは破産手続につないで、そこから一般の無担保債権者に分配するという手続が必要になりますが、その…
○参考人(井上聡君) 私よりも金融機関の人に聞かないと本当のところよく分かりませんが、本当の新興企業にこの担保を使って融資できるかというと、物すごくスタートアップしたばかりでは難しいんではないかと私は考えています。むしろ、一定程度の軌道に乗って、成長企業ではあるけれども、もうスタートアップは脱したか脱していないかというぐらいのレーターステージにまずは使われるのではないかと。 もちろん、この担保の使い方がよく分かってこなれてくればだんだんアーリーステージの方にも使える余地はあると思いますが、私自身は、ある程度トラックレコードができた成長企業というのが一つのポイントで、しかし、今無担保だとううんというふうに悩む、そういった借り手に金融機関が貸すと、貸せないところにこれがあれば貸せるというエリアが、最初はかなり狭いかもしれませんが、それを少しずつ広げていくということが期待されるということだろ…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 なかなかその担保権の力によって人を縛るということは無理なんだろうと思います。ただ、様々なファイナンスで、担保契約に限らずですけれども、融資契約自体で、キーパーソンが辞めた場合には条件を見直す、あるいは返済を考えるというような条項になっていることはよくありますので、やっぱりそういう融資実務を高度化して、スタートアップとか成長企業に見合った様々な条件を融資の中でつくっていくということだろうと思います。担保自体で人を縛るというのは難しいと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 通常の事業の範囲という言葉は、例えば集合動産譲渡担保において通常の営業の範囲というような表現が判例で確立しておりまして、普通に事業を回していく過程で、集合動産譲渡であれば在庫などを処分しても担保権者との関係で問題ないというふうに言われることが、今回は事業全体に広がっておりますので、その意味で、通常事業を回していく限りにおいては、担保に全資産が入っているにもかかわらず、普通、担保に財産を入れれば、それを勝手に担保権者に黙って処分することってできないはずなのに、それはもうどんどんやっていいよという、そういう線引きのルールですので、業態や企業規模、そういったものにかかわらず全て通用する、例えば数値基準のようなものというのはおよそ不可能。ですので、非常に抽象的な通常の事業の範囲という言葉になっているということがあろうかと思います。ですので、不明確で…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 事業性融資というのは、先ほども申し上げたように、もう二十年も前からやろうやろう、やるべきだやるべきだと言われてきたのに、なかなかできなかった。それは、やはり先ほども申し上げたように、それをやろうとするに見合ったリターンを得られないという限界があって進んでこなかったという面があろうかと思います。 そこで、今回、こういった担保を導入することによって、事業価値を維持すること自体が担保権の価値を維持することになり、その実行過程で労働者も契約関係もちゃんと引き継いで事業譲渡されることによって関係者の利益も守られ、それによって事業が保たれるというウィン・ウィンの関係をつくるための道具としてこの担保が必要になるというふうに考えたんだろうと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 この名前が変わったというのは、実はその金融審のワーキングの報告書が出た後、法案の作成段階で変わったということを私も聞いたということなので、その経緯については存じ上げないところではございますが、恐らく、何か事業の成長に資するような期待を込めて議論の段階では事業成長担保と呼んでいたものが、より客観的なといいますか、この担保自体の法的な性格を端的に示す名前に変わったのかなという印象を受けております。 繰り返しになりますが、企業価値を担保に取る、それを維持することが、担保権者の取り分が増えるだけではなく、労働者あるいは取引先をそのまま維持することにつながるという内容を持った担保という意味なので、そういう意味では、成長させるかどうかというよりやはり企業価値というものだという名前に、まあ比較的ストレートになったのかなという印象でございます。…
○参考人(井上聡君) 私も、そうですね、どういう部分を法制審で、どういう部分を金融審でということについて、それ自体に関与しておりませんので、どういう事情でどこで議論されるのかということについての経緯は分かりません。 ただ、今回のこの企業価値担保というのは、当然に信託の仕組みを必要とするという意味で信託業法的な部分を含み、かつ、その担い手となる受託者は金融庁の監督下に置かれるというところがあって、業法的な側面はあろうかと思います。借り入れる側も個人を含まない会社に限られるということなので、その点で、貸す側の金融機関との関係も比較的、何といいますか、金融規制の下に置かれる、まあ銀行では必ずしもなくても貸金業者にはなりますので、そういったことがあるのかなというふうに理解しております。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 それは本当によく分からないところでございます。そんなにすぐにどんな融資にもこれを使うとはちょっと考えにくいので、おっしゃいますように、金利を安く、場合によっては無担保で借り入れられるような企業は無担保で借りればいいわけですし、抵当権に入れられる不動産を持っていれば抵当権に入れてシンプルに借りる方がよっぽど楽だということはあろうかと思いますので、その意味ではかなり限定的な使われ方から始まるのかもしれません。それをむしろどうやって広げていって、お金が今借りられない人が借りられるような範囲を広げていくのか、これは金融機関側のスキルの向上と併せて利用を広げていければということだろうと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 悪用という意味でいうと、これは企業を丸ごと取れるという側面があるので、当初から指摘されていたように、企業の乗っ取りなどに悪用されるのではないかという懸念はあったと思います。 ただ、結果的には信託の仕組みが導入されて、担保権者としてはレンダー、貸付人とは異なる人が関与して、その人が金融監督の下に置かれているということもあって、かつ、実行のときにはまた今度別の実行管財人という倒産実務をやっている恐らく弁護士が中心になって担っていくことになりますので、現在利用されているほかの担保と比べると、むしろ悪用がやりにくい仕組みが整えられているのではないかと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 どういう制度になっていくのかちょっとよく分からないところがございますが、担保のルールを変えればいきなり事業性融資が進むというわけではなく、金融機関側にはスキルの向上が求められますが、それとともに、借りる側についても借入政策の判断においてどういう借り方をするのかということも重要なポイントになってきて、それぞれ学んでいく必要があろうかと思います。そういったことについてのきっかけになったり、スキル向上をサポートしていくといったことが担われるべきことじゃないかと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 この企業価値担保というのがどのぐらいの規模の、あるいはどのぐらいのステージの借入人に使われるようになるのかというのはなかなか見通しが難しいところでございまして、先ほど申し上げたように、まずはある程度しっかりしてきたなというくらいの成長企業か、あるいは会計的にもきちんと実務がなされている成熟企業というところから始まるんだろうと思います。 それに比べますと、零細企業の中には、財務会計がきちんと個人と分かれていなかったり、様々いろんな会社があると思いますが、そういったところがすぐにこの担保を利用するというのはなかなか難しかろう、まず難しかろうと思いますので、先ほども申し上げましたように、金融機関側も努力を必要としますけれども、借りる側も、経営者保証を外し、不動産抵当を外しという代わりに、この担保を利用するためにやらなきゃいけないことがある企業…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 既に不動産を抵当に入れて抵当権を付けている会社がこの企業価値担保を利用するということについては、その不動産が仮に事業の継続に非常に重要な役割を果たすというような場合には、その不動産抵当を入れている金融機関以外のところに企業価値担保を設定するのは難しいだろうと思います。むしろ、同じ金融機関から、不動産に頼らずに全体を見てほしいということで企業価値担保を重ね付けすることはあり得ると思いますけれども、ほかの金融機関からということになるのであればリファイナンスをするということになろうかと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 そうですね、起きるんだろうと思います。現在の日本の担保制度はほとんどの場合、刻む担保とよく言われますけれども、債務者が持っている財産を、この財産はA銀行、この財産はB銀行、この財産はC銀行といってそれぞれ借りて、等距離外交的な借入政策をするという企業が多かろうと思います。 それは今後も続くと思うんですけれども、それに代えて、特定の銀行あるいは特定のシンジケートから融資を受ける代わりにより手厚いコンサルティング機能を受け、その代わり、経営者保証や特定の不動産を取られるということがないというようなタイプの借入政策を取る企業があり、その選択というのが行われていくんだろうと思います。…
○参考人(井上聡君) いわゆる根抵当のような、抵当制度にも極度額といったものがあるわけですが、今回のその企業価値担保は、極度額を定めることも定めないこともできます。ですので、特定の額を定めて、それ以上借りるときは交渉する、あるいは別の金融機関から後順位担保を設定して借りるということも可能ですし、取りあえずはまず特定の金融機関だけと特に枠を設けずに借入れを進めるということも、いずれもあり得ると理解しています。…
○参考人(井上聡君) これはなかなか一概に言えないだろうと。ただ、やっぱり、債務者自身が自分の企業価値を百だと思っているのに今企業価値担保を設定して貸している金融機関が八十しか貸してくれないというときに、ほかの金融機関に話をしに行ったら、ああ、うちは百二十貸せるよというところがあれば、やはり乗り換えられるというのは重要なことで、そうだとすると、その極度額を八十で設定して残りの四十を新しい銀行から借りるか、あるいはその今の銀行に八十を返して別の銀行に担保を設定して百二十を借りるといったような形での使い方はいずれもあり得ますので、前者であれば極度額を付けることになりますし、後者であれば乗り換えるということになろうかと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 融資者が、一般論としてですね、借主に対して横暴な要求をするというようなこと、優越的な地位に基づいてというようなことは、これ、担保を取っている取っていないにかかわらず許されないことですので、独占禁止法あるいは金融規制によって正されるべきものだと思います。 他方で、この担保を取ったことによって何か追加的に、そういった一般論としての問題とは別に問題が生ずるかということについて申し上げると、これは非常に包括的な担保でありますけれど、先ほども申し上げたように、通常の事業の活動には影響しない。それに比べると、もっと普通の個別の担保でより制約的に働くものもありますので、その関係で、この担保が包括的であるという理由で労働関係に悪影響を及ぼすということはむしろ余り想定されないと思っております。 むしろ重要なのは、融資者というのは常に回収のためにアクシ…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 それがまさに乗っ取り目的でという悪用だと思います。それは、別の言い方をすれば、この担保を利用せずに、担保を取るなりあるいは担保を取らずにそもそも貸し付けるなりして融資者という立場で強引なことをすれば、現時点でも起こり得るリスクだとは思います。 その点では特に担保自体の問題ではないと思いますが、ただ、この担保の利用に際しては、むしろ、実行しようとすると、その今申し上げた担保権者である信託会社のみならず実行管財人というのが別途また出てきて、それで裁判所の監督の下に事業譲渡が行われますので、裁判所の監督の下に実行手続が行われることを利用して乗っ取りをするというのは、むしろ非常に考えにくい。それよりは、もっと簡易な、既存の担保でべたべたと付けて、それで強引にという方がむしろリスクが大きいので、一般的に、融資者、金融機関による不公正な融資あるいは…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 実は、結託するどころか、今回の制度上は信託の受託者と貸付人が同一であってもいいという制度になっていますので、何といいますか、その人自身が悪い人だとすると、信託による歯止めは利かないわけです。 ただ、繰り返しになりますが、そういう同一になるということは、逆に言えば、貸付人が信託免許を持っているということになりますので、あくまでも信託会社あるいは信託銀行あるいは銀行自身が簡易な免許を取ってということになるので、グリップが利いて、金融監督が十分に利く範囲で同一になるということになり、そういう意味では、結託する、ようがしまいが、少なくとも受託者に対するコントロールは利くという点では一定の意味はあろうかと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 現在、普通の一般的な事業会社がお金を借りるときというのは、日本では、全資産担保ではなくて、抵当権を付けてA銀行、別の動産担保を付けてB銀行というパターンが多いんですが、唯一現時点で既に行われている全資産担保融資として、唯一ではないんですが、プロジェクトファイナンスあるいはLBOファイナンス、これは、新たに新設会社を設定しまして、そこに大きな事業会社の一部プロジェクトだけを動かして、もうそれ、そのプロジェクトだけを持っている会社にお金を貸すというようなときは、これはほかの事業を何もやっていないので、その持っている、新設会社の持っているもの全てに担保を付けてそれで融資をするということが行われますし、買収のときに新たに買収専用の会社をつくってその会社にお金を貸して、その借りたお金で買収、新設の会社がお金を払って事業を買う、あるいは株を買うと。 …
○参考人(井上聡君) ちょっとその資料は私は手元にないのですけれども、今御紹介いただいたプロジェクトファイナンスとかLBOファイナンスについての御質問ということ。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 いや、まず最初は、典型的には、いやいや、レーターステージの成長企業というか、スタートアップの中では遅い方ということになると思うんですけれども、それをどこまで広げていけるのかというのは、これはもう本当に実務の工夫だと思いますし、借りる側のスキルの向上ということもあろうかと思います。 また、ワラントという形で、新株引受権のようなものを組み合わせることでアップサイドを取るということができれば、金利とは別にですね、それはもしかすると、かなりリスクの高い、アーリーステージのスタートアップにも利用されることになっていく可能性はあると思います。…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、企業価値の評価というのは非常に難しくて、見立てによって大きくぶれるというのもおっしゃるとおりだと思います。 それで、その金融機関の中に、貸せるといいますか、成長企業であってそれなりに評価できると考えた場合に、その金融機関はなぜ担保が必要なんだという御質問ですけれども、そういった企業評価を手を掛けてするのに見合ったビジネスになりにくいからだと考えています。事業性評価というのは、もう随分長いことそうあるべきだという議論がなされていましたが、現時点でそれほど浸透していないのは、恐らく金融機関にとってもうからないビジネスなんだろうと思います。といいますか、リスクが大きいビジネスなんだろうと思います。 先ほど御説明申し上げましたように、結局それだけ手を掛けても、その後、ほかの金融機関がほとんど手を掛けずに、あそこが貸し…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 どういうところがこの担保を使うようになるのかというのはなかなか予想が難しいんですけれども、逆に言うと、こういった借り手のニーズがあるところということになり、一つには成長企業と呼ばれるような企業。そうすると、地域であれば地域金融機関がしっかりとそういった企業を見ながら貸すということになるので、比較的、地域金融機関というのは有力な候補になり得ると思います。あと、もちろん東京にもそういう企業はありますから、若い成長企業などに大手の金融機関、銀行が貸すということもあり得ると思いますし、三つ目の例として挙げたプロジェクトファイナンスあるいはLBOなどに使われるということになれば、むしろ大規模な金融機関が典型例ということになろうかと思います。 ただ、そういった伝統的な金融機関とは別に、最近、ベンチャーデットと呼ばれるような貸金業者であるファンドが比…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 そうですね、債権者というのは、貸付けを行うという意味でいうと、貸金業登録も何もないというところはちょっと考えられないので、その意味では、誰でもとか個人でもということでは、一般的な個人でもということではないとは思います。ただ、おっしゃるように、貸金業者、特に商社とかベンチャーデットと言われるようなファンドというようなものが広く含まれるということになろうかと思います。 これは、一定程度目利き力のあるところに限定するという考えもあると思いますけれども、そこは最終的には目利き力を育てていっていただくべきものというふうにした上で広く設定しておくということで、最初から入口は狭めないという選択だったと思います。 両様あり得るのですが、先生おっしゃるように、やはり間口を広げた以上は、担保権者を介在させることで弊害を回避するというだけではなくて、レン…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 労働者と経営側がコミュニケーションよくするというのは一般論として非常に重要なことだと思いますけれども、この担保の設定に関しては、やや意見が分かれるところかもしれませんが、私は、労働契約の地位が入っていることでむしろ労働者の保護が図られるというふうに考えております。 何で労働者の地位を担保に入れるんだという感情的なというか感覚的なものは分からないではないんですけれども、むしろ、ある中小企業が労働関係をそのままにした上で、基本的に担保に入れるというのは金目のもの、重要なものを担保に入れるのが普通ですので、企業の重要な不動産、重要な契約関係、重要なライセンスといったものを個別の担保に入れて、それが実行される場合と比較しますと、むしろこの担保の方が労働者の保護は図られているのではないか、必要な財産が全部処分されて、ある意味、労働者は担保の…
○参考人(井上聡君) きちんと金融庁も、あるいは政治家の方々にもモニタリングをしていただきたいと思いますが、逆に、そのインセンティブ、経済的な理由なく無理やり使わせるというようなことにはならないようにもしていただきたいと思います。…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 非常に難しく根本的な御質問、むしろ御意見をいただいたように思いますが、三つございますので一つずつ申し上げます。 どんなときに使われるのかということは、今後むしろ実務が工夫するべきことだと思いますが、この企業価値に着目して金を貸すということにまず一つ考えられるのは、今日三つ紹介をしたうちの一つ、成長企業について、不動産はない、経営者保証は出したくない、そういうところが、何もない、机と椅子以外は、パソコン以外はないというときに、事業キャッシュフローが拡大していく、それ自体を担保に入れて、俺の将来に貸してくれという担保をつくるというのが一つの目的だと思います。もう一つは、成熟企業の事業キャッシュフローを把握すると。もう一つは、より大規模なプロファイあるいはLBOということだと思いますが。 先生おっしゃるように、その特に事業会社に対す…
○参考人(井上聡君) おっしゃるとおりで、刻む担保を重ね付けし、幾つかの別の銀行から借りるために使うというようなパターンと、それから、特定の銀行から包括的に濃い関係をつくるというパターンの選択ということもあり得ますし、その今回の企業価値担保を利用するときに、A銀行に提供するのか、リファイナンス、そしてB銀行に濃い関係をつくるのかという選択もありますので、適正な競争環境が金融機関の中にきちんと存在すればうまく機能する可能性はあろうかと思います。…
○参考人(井上聡君) ありがとうございます。 確かに、事業性融資をしようとしますと、全くその情報なくそんなことはできませんので、一定の情報を出していただくためにコベナンツを付けて情報を提供してもらったり、一定の行為をするときは許可を取ってくださいね、あるいは相談してくださいねというような形になることは多いと思います。それが嫌だという借り手にとっては、逆に例えば不動産に抵当権を付けて借り入れれば、事業がどうあれ不動産の価値は余り変わらないので、そういう意味では煩わしいことなく借りるという従来型の借入れもできます。 その意味で、その事業性融資というのは、借り手側からすれば、およそ何にも金融機関との接触がないという融資は考えられず、一定のやはりやり取りがむしろ望ましいと思います。 本日配付している資料の十四ページに、こういったコベナンツ融資が比較的行われている米英の全資産担保融資の実…
○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。 難しい御質問ですね。非常に金利の低い異常な金利状況がこれだけ長く続く中で、事業性を評価して融資をして融資業務からの利益を十分に上げていくということが極めて難しい状況下で、どこまで責められるのか、一金融機関を責められるのかという問題はございますので、一概に誰が悪いということではなかろうと思いますが、ただ、先生のおっしゃるように、金融機関の事業融資を見る目というのがなかなか事業に、彼らの事業に生かされないまま長くたってしまったというのは事実で、そのスキルというのも恐らく以前よりも下がっているというのもおっしゃるとおり。ですから、そこを何とかするということですが、国が、あるいは役所が事業性融資を強制するなんということは、やはり自由主義社会の下でうまくいかない。 ですので、今回、これがうまくいくかどうか、私には保証の限りではございませんが…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 スーパー担保権であるとともに、抜かずの宝刀であると。 この一つ目のスーパー担保権、これは包括的という意味ではおっしゃるとおりでございますが、先ほども申し上げましたように、大きな穴が空いていて、その穴を通じて取引債権者、労働者、その他の利害関係者の利害を調整するという側面がございますので、スーパー担保権と言えるかどうかにも考え方が分かれるところかなというふうに思います。 ただ、抜かずの宝刀という面はおっしゃるとおりでございまして、こういう担保権をむやみやたらと振り回して、すぐに実行するということは元々想定されていないだろうと思います。 繰り返しで恐縮ですけれども、この参考資料の十四ページのところに挙げました米英などで行われているフローで見ましても、平時から右にかけてだんだん経営がうまくいかない状況が進んでいく中で、直ちに実行というこ…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 今回の企業価値担保は非常に新しい制度ですので、新しい制度の導入に当たって様々な不安が生じやすいというのはそのとおり、その意味では御懸念を持たれる方がいても不思議はないとは思います。 ただ、何度も申し上げておりますように、この企業価値担保というのが本当にほかの担保と比べて債務者に対してそれほど強い力を持つものだろうかということを考えますと、私自身は、むしろ、何度も申し上げているように、優先性にも穴が空いておりますし、債務者にも対抗手段となるべき手段が幾つも与えられている、こういったことの多くは普通の担保にはないわけです。 担保である以上、こういった包括的な担保でなくても、現状、債務者が担保として担保権者に差し出しているものは、多くの場合、その債務者企業にとって重要な資産、価値のある資産、金目のあるものに限られます。そうすると、そういった…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 金融実務、融資実務については、むしろ私が教えていただきたいようなところがございますが、目利き力という中には、何度も話に出ております企業評価の手法をどう整えていくのかというのは非常に大きいだろうと思います。 これは、MアンドAのときに、大規模なものであれば非常に綿密なデューデリジェンスをして、時間をかけて評価をするということもございますが、中小企業のMアンドAなんかになりますと、そんなにコストも時間もかけられないということで、財務諸表その他を見て、営業利益から近々のキャッシュフローをおおむね算定した上で現在価値の評価をするというようなことも、簡易な形で行われているんだろうと思います。 そういった事業規模、案件の大きさなどに応じて適切な企業価値をどう評価するかという手法がまず重要になってきますし、それ以外にも、その後のモニタリングの手法と…
○井上参考人 ありがとうございます。 ただ、株式担保というのは、今まさに御指摘があったように、肝腎の債務者が潰れたときは紙くずになってしまうという担保でございますので、担保権者にとってはほとんど魅力のない担保です。株式担保を取るという意味は、コントロールをある程度グリップを利かせる目的はあるんですが、換価価値によって債権を回収する意味はほぼゼロになります。 それに比べますと、企業価値担保は、その株を発行している事業会社そのものの事業キャッシュフローをつかまえることになりますので、その点では、申し上げたとおり、事業自体を譲渡した代金を、いわばほかの金融機関を排除して優先的に回収できるという意味で、債権回収の観点から大きく異なるものだと思います。 ですので、担保というのはあくまでも、債権者側から見ても使い勝手のよい、あるいは使う価値のあるものでなければいけないということからすると、…
○井上参考人 ありがとうございます。 ABLの利用が余り進んでいないというのはおっしゃるとおりだと理解しています。 ただ、ABLというのは、英米でもそうなんですけれども、いわゆるボローイングベースのファイナンスに使われているものでして、売り掛け債権でいえば、それぞれのその時々の残高ベースで融資をする。その意味では、企業全体の将来キャッシュフローを現在価値に割り引いた形の融資にはなかなかつながりにくいところがございます。 実際にも、この担保というのは、企業価値担保と違って、事業全体をまとめて実行するということにはならず、そのときに存在する債権をつかまえて換価処分する、回収するということになりますので、その意味でも、実行プロセスが全く異なります。 そうすると、今回提案されている企業価値担保の方が、いわば、まさに先ほどから繰り返し申し上げている、穴をつくって仕入れその他の資金を払…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 私自身は、この二つの穴のうち一つ目の穴が重要だと思っておりまして、この穴を空けることで企業価値が維持され、むしろ保存されることによって、担保権者、債務者、労働者共にウィン・ウィンの関係がつくられると思っておりますので、こちらで利害を調整するということをベースに考えるべきだと思っていますので、二つ目の穴、今まさに御質問いただいたところについては、余り大きくない方がいいというふうに思っています。ここはもしかすると意見が異なるところかもしれません。 そして、この穴については、逆に、逆にといいますか、どこに行くかというと、ここに書きましたように、全て残存する無担保債権者全体に行きますので、果たして労働者あるいはそれ以外のいわば弱者と呼ばれるような人に行くかというと、そういう制度にはなっておらず、広く様々な全ての無担保債権者に行きます。 ですか…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 その御質問に私が答えられる能力というのは余りないのではないかと思いますが、いきなり最初からうまくいくものではないだろうとは思います。その意味では、経験を蓄積していって、どういったところに着目すべきなのかということについての知見を、貸す側、借りる側、それをアレンジする側、共に学んでいく必要があろうかとは思います。 先ほどもちょっと御紹介申し上げましたが、米英では、全資産担保を使って企業に対する融資というのが広く行われていて、しかしながら、米というのは、レンダーライアビリティーにも代表されますように、レンダーの行動に関する厳しいペナルティーもございます。それをどうバランスをよく取っているのかということについて、やはり、いろいろ日本と違うところはもちろんあるわけですけれども、学ぶところも多いのではないかと思っておりまして、そういう形で、実際に行…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 先ほども申し上げましたように、担保制度というのは、利害関係人の利益をどのように調整するのかというのが非常に重要で、担保権者の力と、それから、債務者の事業の自由といいますか、経営権といったもののバランスの取り方も非常に難しいところで、新しい制度を設けようとすると不安があるというのもよく分かります。 ただ、先ほど少し触れましたが、経営権にどの程度口出しされるのかということについて、全く何も制約を感じないということで果たして事業性融資の対話ができるかというと、なかなかそういうわけにもいきませんので、不動産の担保を取っているから、別に放っておいても、いざとなったら売れば回収できるよという融資と違って、より対話が必要になろうというふうには思います。それを面倒くさい、うっとうしいと思う債務者もいるかもしれませんが、それはむしろ、あえて対話を受け入れて…
○井上参考人 ありがとうございます。 この点も随分議論した記憶がございますけれども、ニーズはあるかなとも思いますが、他方で、今まさに御指摘のように、対抗要件をどう備えるかとか、事業だけを単位にするとなかなか難しいところがほかにもございます。 現に、日本で倒産手続というのは、事業ごとには設けられておりません。その意味では、事業ごとに法人の中で切り分けて、様々なコストを優先劣後の関係に分けていくというのは容易なことではございませんので、なかなかすぐには難しい、非常に複雑な制度になりかねないと考えてはおります。 ただ、検討の余地はあろうかと思いますので、是非将来の課題としたいと思っております。よろしくお願いいたします。…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 まさに、現在、通常、私的整理あるいは民事再生などで事業再生型の手続が行われているのと非常に近い部分があるのではないかと考えておりまして、いわば、実質破綻をしても、そういった手続で現在もよみがえる企業というのがございます。 ということは、やはり、かなりの割合で事業価値が完全にゼロになっていない、借入金をきちんと取り分けて事業をスポンサーに譲渡すれば、なお価値がよみがえって、その対価というのを、倒産手続であれば極力平等弁済に充てるということですが、担保制度として、一定の穴を空けるにしても、担保権者がほかの金融債権者との関係では優位性を持って担保を取るということで機能するという場面があるのではないかというふうに先ほど申し上げたところでございます。…
○井上参考人 ありがとうございます。 経営陣と労働者の間のコミュニケーションをよくするというのは、一般論として非常に重要なことだと考えています。ただ、この企業価値担保の設定というのは、先ほども申し上げましたけれども、それによって事業の制約を受けないという点と同様に、労働者との関係も特段変化が生じないというものでございまして、最終的には事業譲渡という形で労働者が別の会社に事業とともに移転させられるという面はなくはないんですが、それはむしろ、逆に言えば、重要な財産だけを担保に入れた場合と比べますと、重要な財産を労働者から切り離してどんどん切り売りされてしまう担保設定との比較では、むしろ私は労働者フレンドリーな制度ではないかと思っておりますので、一般論として、重要な財産に担保をつけるときに、労働者に対する情報提供あるいは通知というのは義務化はされておらず、その点では一般のコミュニケーションに…
○井上参考人 御質問ありがとうございます。 一つ目の御質問で、どういう難しさがあったかということでございますが、担保制度というのは、債務者の責任財産の中でどの部分を特定の資金供給者に優先して提供するかという問題でございますが、それは裏を返せば、それ以外の債権者あるいは利害関係人にどの部分を残せるのかという問題でもありまして、その意味で、担保の設計においては取り合いの問題が避けられません。なので、私、先ほど申し上げたように、ウィン・ウィンの関係をどうつくるかというのが重要だというのは、その裏の問題として、どうしても、どこかを立たせるとどこかが泣くということになりがちなので、どういう形で線を引き、どういう利害関係を調整するのかというところに難しさがあったように思います。 そのために、いろいろ時間をかけて議論してきたわけですけれども、どの程度議論すれば十分かというのは、なかなかこれは一概…
○井上参考人 おはようございます。 国会の敷地内に入るのは、中学生のときの修学旅行以来でございまして、大変緊張しております。いろいろとお作法も分かりませんが、どうぞよろしくお願いいたします。 本日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。早速、現在法案が提出されております企業価値担保について、私の意見を申し述べます。 まず、現状の課題についてです。 資料の三ページを御覧ください。 資金を借りようとする成長企業から見ますと、業容の拡大中は売上げよりも先に支出が増加しますので、資金需要は大きいと言えます。しかし、安定した換価価値を見込める不動産を持っていない場合には、資金需要に見合った融資を受けられないという課題があります。 これに対して、成長企業に貸そうとする金融機関側からしますと、成長企業は業容拡大中でありますので、将来の収益性には期待できると言えま…
API / MCP 利用
NDL 国会会議録 API 経由